コーヒーの基礎知識

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コーヒー豆の栽培・コーヒーベルト

コーヒー豆が主に栽培される南北両回帰線(緯25度、南緯25度)の熱帯・亜熱帯地域がそれで、生産国の多くは南の開発途上国に属し、コーヒーを消費する北の先進工業国とは好対照を成しています。栽培に適する土壌は、一般的に火山との関わりが深く、高地産のコーヒー豆ほど良質とされ、弱酸性で排水性がよく、腐植含量が高い方がよいとされています。中米ではほとんど栽培地の高度差だけで格付けを行います。高地産のコーヒー豆が香り、酸味、コクに勝っているのは、気候が低地に比べて冷涼(年平均気温15~25℃)なため、寒暖の差によりコーヒーの実が締まり、ゆっくりと時間をかけて熟するからです。降雨量は、少なくとも年間1,500mm程度必要とされ、収穫時期だけは好天に恵まれることが望ましく、雨季と乾季がはっきりしている気候がよいとされます。高度は、アラビカ種の場合500m~2500m程度が栽培適地とされ、カネフォラ種は0m~600m程度でも栽培できます。

コーヒー豆の種類

コーヒー(アカネ科・コフィア属の常緑樹)には大きく分けて、アラビカ種・エチオピア原産、主に高地で栽培され、香りと味が優れて豊かなことと、環境の変化にデリケートであり、産地ごとの土壌や気候の違いによる個性が明確に表れる反面、病害や霜害等に弱さが目立つ。それでも全体の70%以上占めるのは、その良質な香味が他を優越している種だからです。一方、カネフォラ種(ロブスタ種とも呼ぶ)・コンゴ原産、比較的低高度、高温多湿の土地でも栽培が可能で病害に強い。味は重たく平坦、酸味がなく独特な香りがあり(ロブ臭といわれる異臭)苦味が強い。成長が速く高収量、安価なため主に缶コーヒーやインスタントコーヒーに使用されることが多く、カフェイン量やクロロゲン酸がアラビカ種より多い種。この2種類に分けられます。

コーヒー豆の品種

ティピカ/Typica

アラビカ種で最も古い基本品種(原種)。豆はやや細長く、香りがよく上品な酸味と甘味を持つ。ただサビ病、病虫害に弱く生産量は劣る。中南米で広く栽培されていたが、近年安定性を目指し、品種改良が進み探すほうが難しくなっている。かつて純度の高さではコロンビア、ハワイ、ニューギニア、ジャマイカなどが他種との混在が少ないと考えられていたが現在では不明。最近になり高級品として栽培を見直し積極的に取り組む産地や農園もある。希少価値の高いティピカのクリーンさが、コーヒー本来の香味を理解する上で最も大切な品種。

ブルボン/Bourbon

ティピカからの突然変異といわれ、やや小粒で丸みのある豆。ブラジル移入され主力品種となる。1930年黄色く完熟するイエローブルボン種も発見される。ティピカと比べ収量は多いが、霜害や病虫害に弱く隔年変化し安定しない。甘味と濃厚なコクが特徴で香りも優れている。ケニア、タンザニアではAAサイズ(大粒)が、高級品として取引されている。近年、高山地の中米グアテマラを中心に復活の兆しがあり、酸の質も多様で多くのキャラクターが生まれる可能性がある品種。

カトゥーラ/Catura

ブルボンからの優性突然変異。1915年ごろブラジルのミナスジェライス州で発見される。多収穫でサビ病、病虫害にも強く生産性が高い。発見されたブラジルでは土地の相性が悪くほとんど栽培されていない。最近では、中南米(コスタリカなど)を中心に広く栽培されるようになり、矮性(樹高が低い)で収穫時の手間が少ないのが特徴。品質も安定しつつあり、きちんとした酸から華やかな香味が生まれる可能性のあつ品種。

ムンドノーボ/MundoNovo

1950年ごろブルボン、スマトラの交配、改良品種という説と、ブラジルでブルボンとティピカの自然交配から生まれたとされている。病虫害に強く、環境への適応性も高いので比較的高収量。ブルボンでありながらティピカに似た、調和の取れたバランスのよい味を持つ。ムンドノーボとは「新世界」という意味で、ブラジルの主力品種の一つ。大きい粒を改良したのがアカイア種、ほのかな甘味とコクが特徴。

スマトラ/Sumatera

インドネシアに移入されたアラビカ種を起源とする品種。スマトラ島マンデリンがその代表で、独特の香りと強い風味を持つ。大粒で長円形、深い焙煎にも耐えられる。

マラゴジッペ/Maragogype

ブラジル原産のティピカの変異種。種子が極めて大きく特徴的な風味を持つ。

パカマラ/Pacamara

マラゴジッペとパーカス(エルサルバドルで発見されたブルボンの変異種)とを交配したもの。「パカマラ」という名前の由来は両品種の名前を合成たもの。エルサルバドルにて栽培される。種子が大きく、きれいな酸味と甘味を持つ。

ゲイシャ/Geisha

エチオピア原産の野生種。パナマやマラウィにおいて栽培が盛んな品種であり、低収量だが高品質。独特な風味と香りを持つ。パナマ産のものが近年のオークションで高値で取引されたことから注目され、他の中南米諸国でも栽培が始められている。

コーヒー豆の精製

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